最新号81号が発刊されました

81号特集
トキワ荘復元ミュージアムの素案 公表へ

マンガの聖地としまの象徴として、地域へ、世界へ、
マンガ・アニメ文化を発信!

南池袋に流れる名曲の調べ 東京音楽大学
byみんたん

今月のキラリ人
リトミック研究センター 
講師 吉永映子さん

先進まちづくり事例
展示会には夢がある! 株式会社スリービー

雑司ヶ谷物語
第六回 清立院 
雨乞いと皮膚病の祈願寺として

アート探偵団
第2回鉄道模型芸術祭

などなど盛りだくさん
特集は以下から読めます。

特集:トキワ荘復元ミュージアムの素案 公表へ

マンガの聖地としまの象徴として、
地域へ、世界へ、マンガ・アニメ文化を発信!

 昨年7月7日の記者会見で高野之夫区長が発表したトキワ荘の復元構想、すなわち「(仮称)マンガの聖地としまミュージアム」の素案が3月1日より区ホームページで公表された。
 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの前に完成予定とするこのミュージアムの設置は、世界に向けて豊島区がマンガ・アニメ文化の発信地になることへのシンボルと期待される。そして、それは同時にオリンピック後も一過性でない恒久的な取り組みが始まるということを意味している。
 素案の検討過程の様子や今後の課題など概略をお伝えする。

外観と2階の部屋は、
ほぼ当時の様子を
そのまま復元

昨年9月から区で開催された整備検討会議では里中満智子氏が座長となり、6回にわたってトキワ荘に居住されたマンガ家の先生やプロダクションの方々に、地域住民代表も加わって議論が展開された。
特にこだわったのは、外観と2階の部屋の再現、当初は十分な展示事業を展開するには、展示スペースや保管庫、収蔵庫が必要とのことから、2階の部屋の再現は3部屋に留め、また倉庫部分を増築した形の案も示されたが、当時のままを復元した姿こそ今後も魅力的な展示になるはず、との意見が多く、極力2階の部屋や廊下、共用部分の元の姿を変えずに、また倉庫機能は別地で設置する案になった。
これには昨年3月に区がまとめた「トキワ荘等に関する基礎調査」が最も忠実に当時のトキワ荘の状態を表す貴重な基礎資料となるとされた。
この施設の目的とする基本方針は4つの柱で構成。
①トキワ荘をテーマに、子どもからお年寄りまで幅広い年代の方々が楽しめ何度でも訪れたくなるよう、アミューズメント性を重視した事業活動を展開する。
②現地を訪れる国内外の来訪者に対して、マンガ・アニメ文化を発信する。
③マンガ・アニメ文化を感じられるまちづくりを進める南長崎地域全域における拠点施設として、地域と一体となった活動を展開する。
④マンガの原点であるトキワ荘をスタートに、現代のアニメにつながる豊島区全体の回遊を促進する。
これらに基づく施設が行う事業機能を当時のトキワ荘の中で配置すると左図のようになる。

人気のミュージアムに
するには
展示機能が重要

検討委員の一人でもあり、当時居住されていた漫画家、鈴木伸一先生は、ご自身が現在、杉並アニメーションミュージアムの館長を務められている経験から、一貫して、ミュージアムが飽きられずに人気を継続していくためには企画展示が重要との意見を述べられていた。
鈴木先生は、トキワ荘にあまり強くこだわらずとも、マンガ・アニメの世界的な将来形に役立つような企画展示ができることに傾注して施設設置と運営を考えた方が良いとの大切な方向性を示された。
そのことは、常設展示・再現展示・企画展示の3つの展示コンセプトを基本とするという考え方に反映されることとなり、今年度、展示のほうしんった。

ミュージアムの運営方法・
運営主体は
これからの課題

今後の課題は、この展示機能をどう充実させるかが重要だと思われるが、それには運営方式(区直営・業務委託・指定管理)、運営計画、事業計画、の骨格を決めていく必要がある。
これまで同様、区と地域、そして専門家の協働プロジェクトが効果的に機能し、畝荷を継続的に発展させていく方法は何か。
第2のトキワ荘物語は始まったばかりだ。

※区のホームページで((仮称)マンガの聖地としまミュージアム整備基本計画(素案)をみることができます。パブリックコメントの募集は3月31日(金)必着までです。

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