最新号94号が発刊されました。

94号特集
公式パンフに載らない回遊美術館の楽しみ方 5月17日~30日開催

第13回新池袋モンパルナス
まちかど回遊美術館特集

豊島区の公共野外スポーツ施設 byみんたん

池袋疾走日記 第10回
2018.4 by古市コータロー

今月のキラリ人
きめ細かな介護を極めたい 
「長崎いずみの郷」園長 佐藤恵理子さん

雑司ヶ谷物語 第19回 鎌倉街道高田宿
神田川の渡河点に宿が存在していた

トキワ荘だけじゃない 百年前から豊島区は
「漫画の聖地」だった! 小出幹雄さん

などなど盛りだくさん
特集は以下から読めます。

特集:第13回新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館 5月17日(木)~30日(水)開催

公式パンフレットには載らない
回遊美術館の楽しみ方

今年も池袋に回遊美術館がやってきた。
今年で13回目を迎える「新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」毎年成長するこの美術イベントには予想外のチャレンジングな企画が満載だ!
本号では、主な企画内容と公式パンフレットでは載りきらない実行委員会だけが知る耳より情報をお伝えしたい。 

今回は〝乱歩〟が回遊美術館の主要会場をジャック

 メイン会場である東武百貨店美術画廊をはじめ、立教大学、地元商店街、東京芸術劇場、WACCA池袋の会場では、池袋に30年住み続けた「推理小説家 江戸川乱歩」にスポットをあてた企画イベントが集結した。
 まず東武百貨店美術画廊の「乱歩先生とわたし」では、書籍装丁や立体作品でも注目のイラストレーター北見隆氏を中心に現在活躍中の美術家・イラストレーター14名による乱歩の小説を題材にした描き下ろし作品を展示する。それぞれの作品を鑑賞する価値はもちろん、この会場での特製パンフレットを手に入れられれば貴重モノだ。
 続いて東京芸術劇場とWACCA池袋の会場では、アーティスト集団C-DEPOTが乱歩を題材にアート鑑賞と謎解きゲームを掛け合わせた体験型イベントを実施する。両会場で配布される怪盗ランポの挑戦状(ガイドブック)を受け取って謎に挑戦しよう。若手アーティスト総勢27人が企画参加していて、このアーティスト達と巡る謎解きツアーも会期中1回開催。集合場所は公式パンフレットに掲載している。参加無料、予約不要なのでアーティストと知り合える絶好のチャンスにもなる。
 さて、今回ぜひトライしてほしいのは池袋乱歩通り商店街の企画『乱歩通探偵団「キ次元怪人」』だ。捜査依頼書を受け取って商店街エリア内に隠された謎解きを楽しむまち歩き。大人もハマる簡単ではない話題の本格リアル謎解きゲームが池袋の街に登場する。捜査依頼書の配布場所は商店街加盟店舗と池袋マルイの1Fパブリックスペース。その前に「池袋乱歩通り」で検索して商店街ホームページから入団テストを受けよう!
 もうここまで来たら会期中一度は行かずに終われないのが立教大学江戸川乱歩記念大衆文化センタ―、そう「旧江戸川乱歩邸の特別公開」だ。乱歩の土蔵「幻影城」で池袋の摩訶不思議な魅力の世界にどっぷり浸かった後に立教大学の美しいキャンパスを歩くギャップの面白さは池袋回遊ならではの楽しみ方といえる。

ポスターには乱歩作品の仕掛けがたくさん
作品のモチーフを読み取る楽しみも

 回遊美術館の公式パンフの表紙とポスターをデザインするのは今年も写真家高倉大輔さんとデザイナー田中北斗さんのタッグ。高倉大輔さんは2002年に立教大学を卒業後、演劇、デザイン、写真の3つの分野をボーダレスに行き来する注目のトップランナー。田中北斗さんは創形美術学校の教師で、地元でもお馴染みの池袋が誇るデザイナー。回遊美術館のロゴ制作やまちかどこども美術館のアートディレクターとしても携わっている。また、モデルの女性も立教大学の卒業生、女優の毛利悟巳さん。
 今年の撮影場所は立教大学の図書館地下、ここにも乱歩の作品をテーマに遊び心の仕掛けがたくさんあるという。高倉さんによれば『芋虫』『屋根裏の散歩者』『人間椅子』『怪人二十面相』のモチーフを入れ込んでいるので、お好きな方は探してみてほしいとのこと。あの作品の場面がどこに隠れているか、見つける楽しみもあるようだ。

池袋アートギャザリング公募展は応募数600名超
『池袋回遊派美術展』も新設

「アツマル・ツナガル・ヒロガル」を合言葉に、池袋の人と街をアートでつなぐ「IAG」も今年で4回目。応募数は昨年の3倍にあたる600名を超えた。C-DEPOT金丸悠児氏をはじめ「おぶせミュージアム・中島千波館」などで毎年作品を発表している美術界注目の「ShinPA」メンバーを中心とした5名の現役アーティストが審査員となっていること、そして「新池袋モンパルナス」の地力もあり、若手の登竜門として応募意欲を盛り上げているに違いない。
 さらに今年は過去のIAG入選者を中心にした選抜展が『池袋回遊派美術展』に発展、「新池袋モンパルナス」の地に優れた才能が集い、発表する場所として定着している。
 また、昨年のIAGアワーズ受賞者が今回の会期中に地元ギャラリーで個展を開催する連携もできてきた。会場はいずれも東京芸術劇場5階ギャラリー1と2、ぜひ、エネルギッシュな作品たちをご覧いただきたい。

回遊美術館IAGを担当する
社団法人JIANは豊島区に拠点を移し、秋にも池袋で大規模美術展を誘致予定

 この回遊美術館IAGの公募や展示のプロジェクトを担当している一般社団法人JIAN(小路浩代表)は、日本のファインアーティストの才能の活用を目的とした公益型のネットワーク型組織として2000年からの積み上げた実績を基に発展し、2016年に設立された。次世代作家たちによる大規模美術展「KENZAN」の実施などを通してアーティストとの親交に厚く、若手作家たちの成長を応援する活動を年間を通じて行っている。
 回遊美術館の趣旨に賛同し、昨年より豊島区要町に拠点を移し、今秋にも、池袋で若手作家の大規模美術展を誘致しようと計画しており、回遊美術館と連携して春と秋の年間を通じて豊島区でのアートイベントの展開を目指している。すでに回遊美術館ホームページでは美術画廊や地元ギャラリーの展示会、美術関連情報を年間で掲載する取り組みを始めている。
 こうした回遊美術館の新たな展開にJIANは大きな力を与えている。

5月映画公開も
豊島区立熊谷守一美術館のさらなる来館促進を柱に

 今年は3月21日まで東京国立近代美術館で開催された大回顧展『没後40年 熊谷守一 生きるよろこび』に加え、5月19日に公開予定の映画「モリのいる場所」(配給:日活)など、熊谷守一その人と作品に注目が集まっている。
 回遊美術館では今回、実行委員会の総意で、豊島区の2019年「東アジア文化都市」、2020年「東京オリンピック・パラリンピック」、そして2020年後に向けての継続した取り組みとして唯一の区立美術館「豊島区立熊谷守一美術館」の国内外からの来館者促進企画を行うことを決定した。
 今年は、豊島区立熊谷守一美術館の33周年記念展のポスター掲示など広報協力のほか、国際アートカルチャー特命大使による自主企画事業として自由学園明日館で「熊谷守一の目線で見てみよう!描いてみよう!」の開催、また、熊谷守一の作品を絵本にした「はじまるよ」(福音館書店)の文を書いたぱくきょんみさんとジュンク堂書店の協力で熊谷守一関連書籍の展示なども行う。

総合案内所は東武ホープセンター中央通路に設置
期間中毎日10時~16時まで

 このほか地域住民、行政、企業、団体、アーティストなどからの提案による地域連携によるコラボレーション企画は盛りだくさん。全体では80を超える企画・イベントが実施される。
 総合案内所は会期中の二週間毎日設置、公式パンフレットの配布のほか見どころや展示期間の確認、道案内など問い合わせできる。
 今号の本誌は回遊美術館特集14~15、24~27pでも企画のご紹介をしています。

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