最新号60号が発刊されました

60号特集
池袋駅周辺地域
東京都が内閣府に緊急整備地域指定の申入れ

西武池袋本店屋上の『食と緑の空中庭園』がすごい!!
byみんたん

巡り歩いた者から見た回遊美術館・所感
フリーライター 中島理

豊島区生まれの20代
同世代の仲間と「時代」を表現するショー制作に奮闘
雑司が谷

今月のキラリ人 
オリジナルジュエリー「eclectic」代表
眞砂絵里子さん

これからの地域づくりに大切な視点とは
としまNPO推進協議会総会セミナーより

などなど盛りだくさん
特集は以下のリンクから読めます。

特集 特定都市再生緊急整備地域指定でどう変わる
池袋駅周辺地域 東京都が内閣府に緊急整備地域指定の申入れ

池袋の将来像はいよいよ実施体制に
副都心整備プラン+国際アートカルチャー都市が実現する

東京都は5月22日、内閣府に対し、池袋駅周辺地域を都市再生特別措置法に基づく「都市再生緊急整備地域」及び「特定都市再生緊急整備地域」に指定するよう申入れを行った。
これはかねてより豊島区から都や国へ早期の指定を受けることを要望していたもの。この指定地域になることで、地域内で計画する都市開発事業などをより緊急かつ重点的に推進するよう規制緩和や金融支援、計画決定の迅速化などの特例が受けられる。
「特定都市再生緊急整備地域」は、これまでに都内で①東京都心・臨海地域②新宿駅周辺地域③渋谷駅周辺地域④品川駅・田町駅周辺地域の4カ所がすでに指定を受けている。
今後、内閣府はパブリックコメントなどの意見を伺い、問題なければ7~8月には正式決定となる見込みだ。
これにより何を進めることができるか整理してみた。

特定都市再生
緊急整備地域で得られる支援とは

特定都市再生緊急整備地域とは、都市の国際競争力強化の観点から特に重要な地域として選定された地域として、都市開発に資する事業の事業者に対し以下の支援をするとなっている。

【法制上の支援】
◇土地の高度利用を図るため、既存の用途地域等に基づく規制にとらわれず、自由度の高い計画を定めることにより、容積率制限の緩和が可能。
◇道路の上空利用のための規制緩和
◇都市再生事業に必要な市街地開発事業の許可等における手続期間の短縮
◇民間都市再生事業計画における国土交通大臣認定の迅速化
◇民間都市開発プロジェクトでの許認可等の手続きおよび実施に必要な都市計画決定の迅速化

【財政支援】
◇国、地方公共団体、民間事業者から構成される協議会が策定する国際競争拠点都市事業のインフラ整備について重点的かつ集中的支援
◇同協議会が行う国際的ビジネス環境改善に資する取組、及びシティーセールスに係る取組を支援
◇都市再生安全確保計画に基づくソフト・ハード対策等への支援
【金融支援】
◇民間事業者が行う、公共施設等の整備を伴い、環境に配慮した都市開発の整備に対し、特別支援

【税制支援】
◇所得税・法人税 5年間5割増償却/建物の保存登記について登録免許税を軽減/不動産取得税を50%控除/固定資産税・都市計画税を軽減

池袋の整備方針はどう示されているか

今回、都が内閣府に提出した地域整備方針の概要(案)に記された内容は次の通りだ。

【整備の目標】
○都市計画道路の整備や駅施設及び周辺市街地の再編を契機に、回遊性、利便性の高い歩行者中心のまちに都市構造を転換
○造幣局跡地を活用して、防災公園の整備とあわせた連鎖的な開発により、木造密集市街地の改善を図り、地域全体の防災対応力を強化
○文化・芸術等の育成・創造・発信・交流等の機能の充実・強化を図るとともに、魅力ある商業、業務機能等を集積し、国際アート・カルチャー都市を形成

【増進すべき都市機能】
○バスターミナル等の公共施設を整備するとともに、駅前広場や歩行空間の拡充により、ユニバーサルデザインに配慮した駅周辺の交通結節機能の強化を推進
○既存の劇場等の文化施設や道路・公園等の公共空間とも連携し、芸術・文化の情報発信・育成・交流、にぎわいを強化する商業機能等を積極的に充実・強化
○駅周辺の街区再編や木密地域における連鎖的開発等により、多様で持続的な地域活動・コミュニティ形成を支える居住・生活支援機能の強化

【公共施設その他の公益施設
整備】
○都市計画道路(環状5の1号線・補助81号線等)の整備を契機に、駅前広場の改良等により、駅周辺の自動車交通の転換を図り、安全・安心の歩行者空間を創出
○駅施設や周辺市街地の再編に併せて、地域の回遊性、乗換利便性、防災性の向上を図る歩行者ネットワークの形成を促進
○都市開発事業と併せて、駅前広場を再編し、バスターミナル・駐車・駐輪・荷捌場施設などの整備を促進
○乗換利便性の向上やわかりやすい動線の確保を図るとともに、ユニバーサルデザインに配慮した、安全で快適なターミナル機能を強化
○地域に点在する文化・芸術資源を活かし、情報発信や国内外からの来街者が楽しみ、地域の人々と交流することができる賑わいのある公園等の整備を促進
○造幣局跡地において、地域全体の防災力強化のため防災公園の整備を推進

【市街地の整備推進に関し必要な事項】
○池袋駅中心地区においては、街の玄関口にふさわしい、個性ある美しい都市空間の形成を促進
○木造密集地域においては、従前の居住機能の確保及び周辺市街地の都市環境や街並みとの調和など、都市景観の形成等に十分配慮したリノベーションを促進
○公民連携によるエリアマネジメントにより、公的空間の管理・運営、まちの賑わいや魅力を発信する取組みを推進
○都市開発事業において、未利用エネルギーの活用、自立・分散型かつ高効率なエネルギーシステムの導入を誘導
○大規模災害発生時における駅周辺の滞留者等の安全確保に資する退避施設、備蓄倉庫、情報伝達施設等の整備を推進

豊島区が描いてきた池袋副都心整備
ガイドプラン+国際アートカルチャー都市が実施体制に前進する

これらの整備方針はいずれも豊島区が描いてきた池袋副都心整備ガイドプランやグランドビジョンで示されてきたプロジェクトを実現するものであるといえる。今後はいよいよ官民参加による協議会や各プロジェクト事業者の動きが本格的に進むと思われる。これまでに描いてきた将来像は実施体制に進んでいくということだろう。区民としてはこれまでに夢見ていたその将来像がブレないように注意しながら、現実のまちづくりに参画していく時期が来た。さあ面白くなるのはこれからだ。

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