最新号65号が発刊されました。

65号特集
世界中からのTOKYOリサーチに
応えるために

池袋で4つのイベントが連携 
池袋オータムカルチャーフェスティバル
byみんたん

民間企業と行政の連携による祭典 
池袋オータムカルチャーフェスティバル実行委員長 佐々木伸一さん

先進まちづくり事例 
「がんカフェ」に場を提供するお寺 椎名町 金剛院

今月のキラリ人
グロバスカルチャースクール オーナー
ナタリア・ベレゾフスカヤさん

などなど盛りだくさん

来年8月本格スタート
世界中からのTOKYOリサーチに応えるために

オールとしま・文化によるまちづくりプロジェクト連絡会を始めよう!

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、各区でもそれぞれの文化政策が顕著に動き出している。
2012年のロンドン大会では、その4年前の北京大会終了直後から4年間にわたって、イギリス全土で「カルチュラル・オリンピアード」が展開され、期間中開催された文化イベント数18万件、参加者数は4,340万人を数えて文化によるオリンピックの成功を導いた。
都市空間で展開される芸術作品や多彩なイベントを通して、まちが持つ多様な魅力を発信し、世界中の認知を受けるチャンスが来年8月のリオデジャネイロ大会以後に到来する。
豊島区の文化によるまちづくり、2シーズンに向けて、今その準備に必要なことを考えてみる。
23区それぞれが
文化創造都市をPR

豊島区が国家戦略特区として「国際アート・カルチャー都市」を打ち出したのは昨年10月、これまでのまちづくりの集大成として掲げたビジョンだが、特区構想とまではしていなくとも23区各区でもそれぞれ独自のアート・カルチャーのプロジェクトをすでに展開している。
東急文化村などを有して民間によるさまざまな文化イベントを開催する渋谷区や東京芸術大学と組んで観光面のテーマに取り組む墨田区や台東区、アニメで勝負をかける練馬区や中野区、街なかでアーティストの発表の場をつくる区も多い。いずれも今後の展開は、国際的な来街客を見込んだ観光の視点を含んで取り組む方針があげられている。

文化創造都市は豊島区の看板なのだが、もはや23区それぞれが同様のPRをしている。

新宿クリエイターズ・フェスタ
&フィールドミュージアム

特に新宿区の二つのイベントはその狙いを見事に表している。
今年は8月21日から9月6日で開催された「新宿クリエーターズ・フェスティバル」は、5回目を迎え、学生から著名アーティストまで、多くのクリエイターが参加する一大アートイベントに成長した。今年は、「国際観光都市・新宿」を掲げて外国人観光客もイベントを楽めるよう、歌舞伎町の話題のキャラクター「ゴジラ」を新宿観光特使として任命し、この夏公開映画とのコラボ作品展示や国内外で話題のゲーム「イングレス」を活用した企画などで盛り上げた。また、3か国語に対応したイベントマップも作成している。
9月の秋のお祭りを挟んで、10月1日から11月30日の2か月間は、「新宿フィールドミュージアム文化月間」と題して、音楽・美術・演劇・伝統芸能・パフォーマンス・まち歩き・歴史探訪など幅広いジャンルのイベントを区内全域で繰り広げる。期間中は72に及ぶ参加団体が200以上のイベントを実施しており、「来て・見て・楽しい 新宿フィールドミュージアム」を標語にシティプロモーションを展開している形だ。こちらも5回目を迎え、二つのイベントは定着から発展の段階にある。
いずれも民間の企業、団体、施設などとの連携、協賛がとれていることが大きい。これは早くから歌舞伎町タウンマネジメントの運営に取り組み、行政と民間の連絡協議会の活動が機を熟してきた証であろうかと思わせる。

オープンカフェの具体策は4区
アート・カルチャ―都市の
特徴に注力を

こうしたなかで、国際アート・カルチャー都市を掲げる豊島区は、他を圧倒する特徴的な取り組みが必要になっている。
8月に国から追加指定を受けた国際戦略特区でも、同時に追加指定を受けた9区のうち4区に「オープンカフェの実施」が具体策に挙げられていた。その記載がなくても、東京中、ほぼどこでもオープンカフェに取り組むまちが多くなることが予想される。
アートプロジェクトとオープンカフェの組み合わせ、豊島区では今月行われる「池袋オータム・カルチャーフェスティバル」これを実行する最初のイベントになるが、楽しみと同時に、アート・カルチャー都市をテーマとしたコラボレーションの充実度にも注目したい。
 
文化のまちづくりを地域で
支える人の多い豊島区

豊島区のアドバンテージといえば、高野区長がいち早く取り組んだ「文化によるまちづくり」の浸透の結果、地域で文化的イベントやプロジェクトを支える区民が多くいるということだろう。
区民活動支援事業補助金に応募する区民の事業は年々増え、今年は応募総数68事業、申請総額二千七百万円にも上った。もちろん補助金を受けない区民の文化活動も多く、また商店街や町会と組んで動く地域活性化の活動も目立つようになっている。
こうした実践者たちが豊島区の財産だ。経験のなかから生まれている民間のネットワークと行政との協働が豊島区の特徴を活かすカギになる

オールとしまのプロジェクト連絡会を立ち上げよう

国際アート・カルチャー都市構想に掲げた当初プロジェクトはS、それに各地域で動く文化まちづくり活動もある。これらの個々の実行委員会がいくら活発とはいえ、それぞれバラバラに発信したり、単体で国際アート・カルチャーに取り組んでいるのでは効果が薄い。
そのプロジェクト実行委員会を結集し、オールとしまのダイナミズムで何が生まれるか図る取り組みが今、必要なのではないだろうか。連携による意外な産物は新宿の例をとってもあり得るはずだ。
各地での活動がつながり、メディアミックスによる広報活動が一体となれば、点が面となってプロモーション効果を引き出し、他区にない特徴も表せる。そうするとプロジェクトを支える資金面の調達にもヒントが生まれるだろう。
来年8月、リオ五輪が終了すると一斉にTOKYOリサーチが始まる。それまでに体制を整えて、豊島区のまちづくりパワーを発揮しよう!

おすすめ書籍

「財政支出ゼロで220億円の新庁舎を建てる」
溝口禎三 著

財政支出ゼロで220億円の新庁舎を建てる

豊島区をこよなく愛する著者が前著『文化によるまちづくりで財政赤字が消えた』に引き続き書き下ろした第二弾!「豊島区に住んでいて良かった」としみじみ思える本です。

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