最新号90号が発刊されました。

90号特集
2018年 豊島区新時代のホップ・ステップ・ジャンプ

2018新年 高野区長インタビュー 
街が変わる!街を変える!の集大成に向けて

新年ご挨拶
豊島のまちづくりトップランナー30人

大型公園に大学キャンパス登場!
造幣局跡地はどうなる? byみんたん

池袋疾走日記 第6回
2017.12 by古市コータロー

今月のキラリ人
ピラティスの魅力を広げたい 
ピラティスインストラクター 大塚知美さん

雑司ヶ谷物語 第15回
乾板からフィルムの時代へ
富士写真フィルム設立の礎となった東洋乾板 21

などなど盛りだくさん
特集は以下から読めます。

特集:2018年 豊島区新時代のホップ・ステップ・ジャンプ

街が変わる!街を変える!の集大成に向けて

  2014年「消滅可能性都市」と名指しされた豊島区は、それから4年となる2018年を迎え「女性にやさしい都市」として確実に大きく変貌を遂げている。日経BP社が発行するニュース雑誌「日経DUAL(デュアル)」が発表した2017年版「共働きで子育てしやすい街ランキング」では豊島区が堂々全国一位を獲得。外部評価でもそれを証明して見せた。
 2019年には国の文化交流事業「東アジア文化都市」の国内開催都市にも決定。豊島区新時代は着々と進んでいる。
年頭にあたり、豊島区長に2018年の取り組みを伺う。
(聞き手:小林俊史 本誌編集長)

公民連携…区民と一緒に歩んでいく
豊島スタイルの確立へ

子育てしやすい街、の評価は10年以上の積み重ね…ハード・ソフト両面から展開

―区長は昨年「街が変わる!その仕掛けを見せる一年にしたい」と示されました。その成果が表れていますか。
高野区長:昨年は年度初めの4月に目標であった国基準での待機児童ゼロを一年前倒しで実行できました。また、共働き家庭による学童保育、放課後対策についても「子どもスキップ」を教育委員会に移管してすべての公立小学校内に設置し、1年生から6年生まで安心して過ごせる環境を整えています。また、出産前の妊婦さんには保健師や助産師の方たちが様々な相談を受けるサービスや、子どもたちに食事を提供する「子ども食堂」も充実してきています。こうしたことは現場の職員と区民の皆さんとのネットワークによって10年以上の積み重ねで作り上げてきた成果です。「共働きで子育てしやすい街全国一位」は、計画と現場、ハードとソフト両面からの公民連携が成果を見せ始めてきた「女性にやさしいまちづくり」への評価だとうれしく思っています。
また、このような評価を受けることで庁内の職員の職場にも活気が出ていると感じています。政策が価値ある成果を上げてきつつあるという職員の自覚は街の元気にもつながると信じています。

4つの公園・ハレザ池袋…池袋副都心の再生への変化が暮らしの豊かさ
として実感できるように

―国際アート・カルチャー都市構想でも今までにない事業が多く飛び込んできた一年でしたね。
まずは、国の事業である「東アジア文化都市」の2019年開催都市に選ばれたことは大きなチャンスをつかんだと思います。今年度開催の金沢市を含め、これまでの五都市は全て政令指定都市ですが、30万人口規模の豊島区が開催都市になり、成功させることで、全国の地方都市にも開催の道を開くことにつながるのではないでしょうか。そのためには、豊島区の特長である区民参画による公民連携の成功モデルを作りたいという強い気持ちを持っています。
また、国際アート・カルチャー都市構想を打ち出したことで、東京芸術祭をはじめ、アニメの聖地としてアニメの国際コンテンツ見本市TIFFCOMやTIAFといったイベントの開催が行われたり、日本最大級のクラシック音楽祭ラ・フォル・ジュルネの開催会場に決定するなど、池袋をこれからの開催会場にしたいという大型イベントが続々と決まっています。これらの動きは、今後完成する「Harezaハレザ池袋」の劇場や「4つの公園」など池袋副都心の再生整備によって加速していくでしょう。そのような評価を豊島区の暮らしの豊かさとして区民の皆さんにどう還元していくか、その基本は区民と一緒に作り上げていく、豊島スタイルの確立にかかっているのだと認識しています。
今年は、一つ一つ進んでいく国際アート・カルチャー都市の変化が区民の皆さんの豊かな暮らしの実感として伝わっていく年にしたいと考えています。

豊島スタイルのホップ・ステップ・ジャンプ
基本は「安心・安全」

―2020年までもうカウントダウンの時期になりました。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの年は言うまでもなくゴールではありません。2020年以後こそ確実に海外からお客様を迎え、都市が国際評価を受ける新たな時代に入るのだと思います。その前にできる準備、仕掛けは十分にしておきたいという思いで、これまで進めてきました。
思い返せば、2008年の新庁舎整備方針から連鎖的に「街を変える、街が変わる」を推進してきました。当初は反対の声もあった新庁舎計画でしたが、2015年に完成した今やこの2年間で全国378団体の視察を受けるほど全国的にも評価を受ける取り組みとなりました。そしてその効果がその後の街に波及しています。
これまでの豊島区の取り組みと今後私たちが目指す展望を世界に知っていただき、公民連携の豊島スタイルによるまちづくりを示したいと思っています。
その一策として、世界を含め125店舗を展開する㈱アニメイトと豊島区シティセールスの広報動画を共同制作し、発信することも計画しました。また、都市を回遊するインパクトある電動バスを走行させることによって、どこへ行っても安心・安全で誰もが舞台として訪れたい、世界の人の目に叶う都市に仕上げたいと思っています。
新庁舎の例のように池袋の都市の発展が注目されれば、大塚や巣鴨、要町、椎名町、すぐ隣の街へと波及していきます。個人的には今、話題のナイトエンターテイメントは大塚ほど合う街はないのではないかとも思います。
そして、やはり街の発展の基本は「安心・安全」です。2020年に向けて「国際アート・カルチャー都市」の形成とともに「国際セーフ・コミュニティ都市」の充実によってホップ・ステップ・ジャンプを公民連携「豊島スタイル」で進めていきたいと思っています。

―ありがとうございました。

おすすめ書籍

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溝口禎三 著

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