いじめに関する緊急アピール!
「人に優しく、思いやりにあふれるまちにしよう」
区立小中学校で未然に防ぐため、
QーUテストによる実態把握の導入も発表
全国でいじめによる生徒の自殺が問題となっている。豊島区教育委員会(廣田悦造委員長)では、2学期の始業式(8月27日)に区立小中学校の全児童生徒に向けて、区長と教育長の連名で「いじめに関する緊急アピール」を配付したことを公表、また、いじめや不登校を防ぐため、学級全体と生徒個々の状況を客観的に把握できる心理テスト「QーUテスト」を全校で導入することを発表した。
豊島区ではこれまでも毎年1学期に1回、いじめに関する独自の調査を行い実態把握と対応に努めているが、今年7月、都の要請から重ねて緊急調査を実施した。この調査をもとにその後の対応と解決についても報告をまとめているが、9月20日現在、未着手は無く、いじめを起因とした重篤かつ長期化しているトラブルは生じていないことを確認したとのことだ。
導入する「QーUテスト」は早稲田大学の河村茂雄教授の作成によるもので15分から20分ほどの簡単なアンケートに生徒が答えることで、学級満足度、学校生活意欲の二つの尺度から、学級全体と生徒の個々の状況、生徒の学級内での相対的位置を把握する診断ができ、教師に生徒の個々の心理や集団傾向に対応した学級運営の視点をサポートすることができるもの。数年前から区内の二校の中学校でも実施しており、「名人先生推奨制度」でQーUテストによる生活指導の効果が確認されていることから、全校での実施を決めた。来年は中学校全学年と小学校5年生、6年生を対象に行う。
三田一則教育長は「第二の自立といわれる9歳後と多感な思春期の中学生は自らいじめを申告できるほど単純ではない。個々の子どもたちと学級の状況をしっかり観察しながら、教師自らが常に自分の視点を確認して、注意深くいじめを見落とさないようにすることが必要だ」と力を込める。