最新号70号が発刊されました

70号特集
国際アート・カルチャー都市構想実現戦略(素案)とは

私たちが気になる活動
どこに位置づけられているのか確認しよう

生まれ変わった南池袋公園に出かけよう!
byみんたん

今月のキラリ人
剣術から騎士道精神・ティンタジェル㈱
笠井洋子さん

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立教セカンドステージ大学「コミュニティ活動研究会」

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特集:国際アート・カルチャー都市構想 実現戦略(素案)とは
私たちが気になる活動…
どこに位置づけられているのか確認しよう

3月28日、区は国際アート・カルチャー都市懇話会を開いて、かねてから作成に着手していた国際アート・カルチャー都市構想 実現戦略(素案)を検討材料として提出した。文化戦略・国際戦略・文化戦略に分け、挙げられた項目だけでも62項目。それぞれ具体的な事業への着手を想定している。
今年度は、この実現戦略の内容が区民の議論の目玉となるだろう。この後、パブリックコメントも求めることになる。今回の特集は、その項目名を概観し、気になるテーマがどこに位置づけられているのかをまず確認しておこう。

まち全体が舞台の
誰もが主役になれる
劇場都市としま

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、
都市構想の目標は次のように掲げられている。
○豊島区のアート・カルチャーの魅力を国内外に発信していくことにより、都市イメージの向上を図り、居住者や来街者が増加し、地域経済を活性化する
○豊島区が区民はもとより区外の人からも「選ばれるまち」になり、その魅力を発信することにより、人と産業を惹きつける好循環を創出し、地域への誇りや愛情が醸成され、豊島区を愛する人々がさらに集まる持続発展する都市を実現する。
そして、そのための実現戦略は「文化戦略」「空間戦略」「国際戦略」の3つの戦略で構想を具体化し、策定する過程にある。
目指す都市像は「まち全体が舞台の誰もが主役になれる劇場都市としま」だ。
それぞれの項目を見てみよう。

文化戦略
第1戦略
豊島区の強み、サブカル
1、サブカルチャーの魅力の普及と拡大…(アニメシティのイメージ拡大)
(1)サブカルチャーの集積地としての魅力の普及…
(2)アニメ・コスプレのまちとしての魅力展開
①オータムカルチャーフェスティバルの拡充
②アニメソング・特撮ヒーローの魅力再認識
(3)マンガの聖地に南長崎マンガランドの展開
2、舞台芸術のまちとしての魅力発展…(東京舞台芸術祭・仮称などの取り組み)
(1)国際的演劇祭:フェスティバル・トーキョーの魅力拡大
(2)新進劇団の登竜門:池袋演劇祭の充実
(3)「としま大田楽」により区オリジナルな文化の魅力展開
(4)東京都の文化プログラムとの連携
3、池袋モンパルナスと呼ばれた芸術と文学のまちとしての魅力拡大…(まち全体をキャンバスに)
(1)新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館の拡充
(2)国際的公募美術展・アートオリンピアの開催による魅力発信
(3)障害者アートなどの充実
(4)子どもたちのアートの魅力発信と育成
(5)フランスとの懸け橋:旧鈴木家住宅の魅力発信
(6)新しいミュージアムと庁舎からの魅力発信

第2戦略
多様な文化芸術の創造と
創造環境の整備
1、文化創造と発表の場の整備…(8つの劇場などの整備)
(1)新ホール、区民センターと既存施設との一体的、重層的な運営・活用
①アート・カルチャー都市にふさわしい新ホールの整備
②区民センターと一体的に活用することによる文化の創造と発信
2、区民との連携による多様な文化の創造…(人材の育成・基金の創設など)
(1)「にしすがも創造舎」等拠点施設の活用
(2)身近な拠点からアートの発信:アートステーション構想によるアートの発信と人材の育成
(3)基金創設と認定制度による文化創造の拡大
3、アーティストがスタートアップし、暮らし、活動することができる環境の整備…(アーティストインレジデンスやパブリックアートの推奨など)
(1)アーティストやクリエーターが暮らし、活動するまち
①「活動の場」として公共空間を開放
②リノベーションを活用した空き家、空き店舗等の活用
③アーティストの交流の場づくり
(2)クリエイティブビジネスの拠点集積の促進…(プラットフォームの形成など)
①ビジネス拠点となる都市開発(オフィス増床)
②規制緩和の活用
③起業支援
④情報交流・発信の場の提供

第3戦略
地域文化・伝統文化の
継承と発展
1、としま文化イメージの展開…(ソメイヨシノ桜の発祥の地など)
(1)ソメイヨシノ桜発祥の地によるイメージづくり
(2)ふくろうによるイメージづくり
2、地域文化の拡充と参加の拡大…(東京フラフェス・ふくろ祭り・大塚阿波踊りなど)
3、伝統文化の継承と発展…(御会式・巣鴨高岩寺縁日・長崎獅子舞など)
(1)雑司が谷未来遺産の継承と魅力発信
(2)地域に根付いた文化の保存と継承

国際戦略
《東アジア文化都市の開催を目指し、国際アート・カルチャー都市としまの魅力を世界に向けて発信していきます。また、増加を続ける訪日外国人旅行の受入環境を整備し、インバウンド機能を強化していきます。更には、海外を視野に入れた産業の活性化を進めていきます》

第1戦略
国際アート・カルチャー都市
としまを世界に発信
1、国際会議やイベントの誘致・開催…(世界の人が集まる国際都市に)
(1)国際会議の開催・誘致
(2)国際的な文化プログラムの開催
(3)学術会議の開催促進に向けた大学との連携
2、東アジア文化都市をめざして…(東アジア文化都市としての選定を受けることを目標に)

第2戦略
インバウンド機能の強化
1、情報提供の一元化…メディアの活用、媒体の充実)
(1)アート・カルチャー ポータルサイトの開設
(2)多言語対応による海外への発信
2、滞在環境の充実…(外国人のニーズを充たす都市環境に)
(1)TOSHIMA Free Wi-Fi アクセスポイント整備
(2)決済環境の整備
3、回遊環境の整備…(便利でリピーターが増えるまちに)
(1)手ぶら観光の環境整備
(2)シェアサイクルの導入を検討
(3)アート・カルチャー鑑賞後のサードプレイスの実現

第3戦略
世界から企業が集まり、世界へ展開するまちに
1、世界に向けた産業政策…(クリエイティブな人たちを応援するまちに)
(1)海外に目を向けた産業の活性化
①区内企業の海外への販路拡大支援
②外国企業誘致
③世界への情報発信を促進する国内企業誘致
④情報交流・発信の場の提供
(2)外国人の宿泊施設の整備

空間戦略
第1戦略
ブランディング
1、エリアブランディング…(池袋ブランディング・シティ戦略の策定など)
(1)個性あるまちづくりの推進
(2)エリアブランディング
2、文化と生活・産業が創発するまちづくり…(新たな魅力が生み出されていくまちへ)
(1)文化が創発するまちづくり
(2)ガイドラインによる機能誘導

第2戦略
劇場空間創出
1、劇場空間の創出…(まちの機能が発揮される使い方)
(1)公共空間の活用
①道路の活用
②公園・広場の活用
(2)民間主導による魅力的な空間の創出
①リノベ―ションまちづくりによる空間の創出
②民間開発による魅力的な空間の創出
2、劇場空間運用のしくみづくり…(新たなマネジメントの方法)
(1)官民連携によるルールづくり
(2)エリアマネジメントの推進

第3戦略
人間優先の回遊空間整備
1、駅からにぎわいが広がるまちづくり…(まち全体を歩いて楽しめる歩行者ネットワークに)
(1)駅からまちへの導線整備
(2)交流・回遊を生み出す駅機能の更新
2、歩行者優先のまちづくり
(1)歩行者ネットワークの整備
(2)くるまを意識しない歩行者優先のまちづくり
(3)無電柱化の促進
実現戦略では、この構想の実現を推進するため、次のように新たな組織を設置するとも記している。

①国際アート・カルチャー都市を実現する事業について認定・登録制度を創設する
②としま未来文化財団を核として、認定・登録の実務を担い、国際アート・カルチャー都市の実現を推進する組織を創設する
③推進する組織において、事業を統括する専門人材の登用や文化の担い手となる若手の雇用を図り、地域版アーツカウンシルとすることを想定する。
④アート活動を始めたい、場所を確保したい、空間整備の諸手続きを知りたいなど、多様な相談に応じられる窓口を整備する。

地域活動をする
区民の多い豊島
今こそ、実現戦略に有効なチェックをしよう!

国際アート・カルチャー特命大使は850名を超えたという。地域のなかで活動している区民の多い豊島区。それぞれの分野でしてきたこと、「これからできることは山のようにありそうだ。地域で動いている区民だからこそ、有効な課題を指摘できるはず。実現戦略を知って、有効なチェックをしよう!

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