最新号87号が発刊されました。

87号特集
豊島区と秩父市
近くて親しい自治体の新しい居住関係

これからのライフスタイルを叶える「生涯活躍のまち」
モデルに向けて進行中

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byみんたん

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2017.9 by古市コータロー

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雑司ヶ谷物語 第12回
あたたかい地域の人々の想いが
「すすきみみずく」保存会設立へ

平成29年第三回豊島区議会定例会
区長招集挨拶

などなど盛りだくさん
特集は以下から読めます。

特集:豊島区と秩父市 近くて親しい自治体の新しい居住関係

豊島区×秩父市
 これからのライフスタイルを叶える
 「生涯活躍のまち」モデルに向けて進行中

 9月9日(土)と10日(日)豊島区から秩父市への一泊二日「お試し居住モニターツアー」が行われた。参加者は23名、うち本誌編集部員も個人的な興味で参加した。
 豊島区と秩父市は1983年に観光協会の交流をきっかけに姉妹都市を結んで34年。その豊島区と秩父市が日本版CCRCと呼ばれるこの構想の検討を始めてから約2年が経つ。具体的に都市と地方の共生モデルをどう作っていこうとしているのか。
 担当する政策経営部企画課の高田秀和課長と鈴木悠斗係長、秩父市から派遣職員として担当する熊澤大輔さんに、現状と今後の取り組みを伺う。
(聞き手 本誌・小林俊史編集長)

「高齢化への対応」から「多世代交流による
 生涯活躍モデル」へ

――豊島区と秩父市の日本版CCRCと呼ばれた構想は今、どのような検討段階ですか
高田課長:この構想が始まったのは平成27年、当初は消滅可能性都市の対策として掲げた「地方との共生」「高齢化への対応」という二つの施策を目的にしていましたが、豊島区と秩父市のお互いに望ましい形を検討していくうちに「高齢化への対応」というよりは「多世代交流」による「生涯活躍のライフスタイル」を叶えるモデルと考えた方が良いと思っています。
当時、この実例として報じられた杉並区と南伊豆町の例をよく検証すると、リゾート特養整備とCCRC構想の2つの計画が以前から別々にあり、その結果、圏域外特別養護老人ホームという「高齢者福祉施設」のテーマと、多世代交流型拠点施設による地域再生のテーマが混在して効果を出しているように捉えられていたのです。
実際には、日本版CCRC構想とは、国の有識者会議でも示されているように、「地方創生」「地方との共生」も加味されたテーマであり、元気なうちに都市部から自分の意思で移り住んで移住し、多世代交流しながらいきいきと暮らせる「生涯活躍のまち」地域を作るというものです。南伊豆町でも現実に早稲田大学と連携し、健康学の実践と充実したサービス付き高齢者住宅などの提供を要にしています。
本区も今は、日本版CCRC構想が圏域外特別養護老人ホームを前提としたものではなく、区民の方々により充実した生き方ができるような選択肢として「地方との共生」を秩父市とともに考える施策としています。

豊島区は区民の需要に
応える「交流・住まい・生きがい」を模索

――今回のツアーはどのような目的で実施されたのですか
鈴木係長:平成27年度に実施した「定住・地方移住等に関する区民意識調査」では、約3人に1人が移住に関心があり、そのうち約20%が秩父への移住に興味があるという回答でした。つまり実質7%程度の方が秩父へ移住の可能性があるという結果です。
また、平成28年度には、「地方居住を考えるワークショップ」を実施し、区民の方や立教セカンドステージ大学、大正大学、NPOゼファーなどの運営協力のもと、「生涯活躍のまちづくり実現のための提案」をまとめた報告をいただきました。この報告では、「まずは秩父市民と豊島区民の多世代交流が必要である」とのご意見をいただき、「交流・住まい・生きがい」という3つの柱とした具体的なご提案をいただいています。
そこで今回の「モニターツアー」は、そのご提案にもあった、お試し居住や既存の地域資源の紹介、空き家活用、そして区民市民の交流を目的としたツアーの検証を行うものとしました。
特に今回は、西武トラベル㈱様に旅行企画をしてもらったのですが、担当の方自身が非常に秩父に詳しい方でもあり、まさしく公民連携の充実した内容になったと思っています。

秩父市は「移住相談センター」を開設、
ワンストップで相談拠点を充実

――秩父市側の体制はどのように進んでいるのでしょうか
熊澤:秩父市では、今年度から「秩父市生涯活躍のまちづくり」を「総合事業」と「モデル事業」の二本立てで捉え、取組推進のため豊島区との連携事業を推進するとともに、移住相談センターを開設し、ハローワークも同居する「地場産センター」内でワンストップによる相談ができる体制を備えています。
これに加え、「地域おこし協力隊」も検討に加わり、秩父市民、移住者がともにメリットを享受できる仕組みや体制づくりを進めていきます。アクティブシニアに限定せず、若者やシングルマザーなどが交流できる都市と地方の取組を検討し、多元的な価値を創出することが必要と考えています。

秩父をもっと知るために
区民ひろばで秩父市交流事業

――今後の展開を教えてください
鈴木係長:この事業は、引き続き、長い目で見て取り組むことが大切と考えています。
区民のニーズに合った「地方との共生」「生涯活躍のまち」のモデルを作ることは、豊島区の目指す「誰もが主役になれるまち」のコンセプトのなかで、区民がより豊かな生き方をして元気になるようなライフスタイルを叶える選択肢を増やすことと考えて、検討を深めていきます。 
直近の展開としては、秩父の魅力を区民の皆様にも身近にお伝えするため、区民ひろばを使った交流事業を進めていきます。
すでに8月には、区民ひろば 仰高で秩父の木を使った、「夏休み小学生集まれ!木工工作」教室を秩父市職員の方々の協力で開催しています。今後も地域の区民ひろばでワークショップなども予定していますので、ぜひ、ご参加ください。

――ありがとうございました。

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