最新号91号を発刊しました。

91号特集
豊島区「子育てしやすい街 NO.1」への取り組み

女性にやさしいまちづくり!「子どもスキップ」
小学生の放課後活動の充実ぶりがスゴイ!

新年ご挨拶
豊島のまちづくりトップランナー30人

子育てしやすい街への挑戦!
豊島区の保育園事情 byみんたん

池袋疾走日記 第7回
2018.1 by古市コータロー

今月のキラリ人
音楽の力でもっと楽しくなれるよう貢献したい
伴奏者 奥村晴香さん

雑司ヶ谷物語 第16回
「東海道四谷怪談」
鶴屋南北が選んだのは雑司ヶ谷四家町

などなど盛りだくさん
特集は以下から読めます。

特集:豊島区「子育てしやすい街 NO.1」への取り組み

女性にやさしいまちづくり!「子どもスキップ」
小学生の放課後活動の充実ぶりがスゴイ!

日経BP社が発行するニュース雑誌「日経DUAL(デュアル)の2017年版「共働きで子育てしやすい街ランキング」で全国一位を受賞した豊島区。その理由には昨年4月の保育所待機児童ゼロの達成もあるが、実は、保育所対象年齢の幼児だけでなく小学生の放課後対策事業「子どもスキップ」の充実した取組内容も豊島区の大きな特徴と高く評価されている。
 そこでは女性にやさしいまちづくりの具体的な施策が進んでいる。
 担当する豊島区教育委員会放課後対策課の高桑光浩課長と桑原由貴子係長、番場大輔社会教育指導員に伺う。
(聞き手:小林俊史 本誌編集長)

放課後の遊び場・学び場
として区立小学校全22校で事業展開

―子どもスキップのしくみを教えてください
高桑課長:子どもスキップは、豊島区在住または区立小学校に在学している小学生の全学年を対象に、放課後の時間を安全・安心に過ごしていただけるよう小学校施設等を活用した事業です。
近年、子どもたちを取り巻く環境は、少子化が進み、下校後に近所で遊ぶ相手が見つけにくくなったり、地域のなかに子どもが安心して遊べる場所が少なくなって、塾通いや習い事などで放課後の過ごし方が多様化したことから友だちと交流する機会が減っているなどの課題を受けて計画されたものです。
平成16年から順次、児童館をスキップに移行して、平成28年8月に全小学校22校での整備が完了しました。
保護者の方が就労等により放課後の時間帯に家庭が留守になる児童をお預かりする「学童クラブ」を利用する児童と、届け出により希望する全児童が利用可能な「一般利用」があります。また「校庭開放」や「放課後子ども教室」の利用も出来、児童が相互交流して遊びと学びの時間を過ごすことができるようになっています。
平日の一般利用時間は放課後から午後6時までですが、「学童クラブ」利用児童は9時前利用と夜7時までの延長利用も可能です。
また、地域の方や学校との連携については、「地域子ども懇談会」を設置しています。「放課後子ども教室」では地域の方に講師をしていただいたり、教室の安全管理を行うなどさまざまな形で児童の健全育成に関わっていただいています。

―この事業の特長は…
高桑課長:放課後事業は他の自治体でも様々な形で行われていますが、学校や地域と連携して学校施設内で実施できている点は、まず保護者の方から安心感をいただけていると思います。
また、「学童クラブ」の夜7時までの延長利用を全て公設公営で行っているというのは本区の特長です。 
利用料は、スキップの「一般利用」は無料、「学童クラブ」は月額4千円です。減免制度もあり、また日曜祝日年末年始以外は学校休業日も利用できます。「学童クラブ」の夜7時までの延長利用は月額1千円プラス、9時前利用は年額1千円プラスとして極めて低く設定しています。これらは国と都の予算措置があってのことですが、現場では主に非常勤職員の方に対応していただき、経費を抑えています。延長利用については、平成23年度から新一年生応援保育として事業量などを見極める試行をしたところ、保護者から人気が高まり徐々に増やして全校実施になりました。
「共働きで子育てしやすい」のニーズに合った事業かと思っています。
教育委員会への移管で、
活動内容の質を向上

―学校との連携の効果はいかがですか
桑桑原係長:昨年4月から子どもスキップ事業を子ども家庭部子ども課から教育委員会に移管したことにより、スキップと学校の連携がよく図れるようになっていると実感しています。
例えば、管理運営の面では、保健室を利用できたり、施設改修もタイミングを合わせて行ったりなど、スキップの環境向上を学校と一緒に考えることができています。
また、今年度より「放課後子ども教室」も全校で実施できるようになりました。これは地域の方々の参画を得ながら、希望する児童に学びやスポーツ、文化活動を楽しんでもらう教室で、各スキップでダンスや茶道や将棋などさまざまなプログラムに取り組んでいます。この事業は文部科学省の先進モデル例としても採り上げていただき、他の自治体からの視察も良くいらっしゃっています。運営は、6人の社会教育指導員(非常勤職員)が各スキップの地域コーディネーター、講師及び安全管理員などのスタッフとともにあたっていますが、これまでも子どものためにいろいろな行事を積み重ねてこられた、学校を中心にした地域の子育てを支援してくださる方々のネットワークのご協力があってこそ、と感謝しています。
さらに昨年度からは、小学校の基礎学習を補習する学習支援の「チューター事業」も始めています。

番場社会教育指導員:各スキップの現場でも学校や地域との一体感はスキップの運営に活かされていると思います。
「放課後子ども教室」は基本的には、こちらから講師をお願いする形で進めていますが、特に地域の児童健全育成に関わる皆さまのこれまでの経験に基づく地域との絆や広い人脈には円滑な運営をするうえでとても助けられています。
学校にも応援していただき、放課後の時間でも校長先生が児童と一緒に遊んでくれるなど、心強く感じています。
スキップの事業自体が地域のなかで育くまれてきたと思っています。

第一回
子どもスキップまつり
2月25日(日)区役所で開催

高桑課長:子どもスキップの事業は高野区長が掲げる「女性にやさしいまちづくり」、行政と地域と学校と家庭が連携する、いわゆる豊島スタイルの結集と考えています。今後もさらに地域の皆さまとともに、地域で見守り、育てる活動の充実を図っていきます。今月2月25日(日)には、初めて22のスキップが全て揃って、日常の活動の発表会を行います。放課後子ども教室での学習やステージ、体験コーナーなど盛りだくさんの催しをしますので、ぜひともご来場いただき、子どもスキップを身近に感じていただけますようお願いいたします。
―ありがとうございました。

おすすめ書籍

「財政支出ゼロで220億円の新庁舎を建てる」
溝口禎三 著

財政支出ゼロで220億円の新庁舎を建てる

豊島区をこよなく愛する著者が前著『文化によるまちづくりで財政赤字が消えた』に引き続き書き下ろした第二弾!「豊島区に住んでいて良かった」としみじみ思える本です。

定期購読のお申込み

『豊島の選択』購読をご希望の方は、詳細をご覧ください。お申込みは、お問合せフォームからお受けしています。