特集
2019東アジア文化都市 開催都市に豊島区が正式決定
日中韓文化大臣会合で正式決定
中国・西安市、韓国・仁川広域市とともに
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特集:2019東アジア文化都市 開催都市に豊島区が正式決定
日中韓文化大臣会合で正式決定
中国・西安市、韓国・仁川広域市とともに
8月30日第10回日中韓文化大臣会合が開催された中国ハルビン市に高野之夫豊島区長は林芳正文部科学大臣とともに訪れた。そこで、豊島区が中国「西安市」、韓国「仁川広域市」とともに、2019年の東アジア文化都市に正式決定され、区長は林大臣から称号を授与された。
いよいよ来年の豊島区は国の文化事業として一年を通じての日中韓における文化発信・交流が行われる。「西安市」「仁川広域市」の様子、そして豊島区ではどのような展開になるのか、その準備の進捗を小池章一東アジア文化都市推進担当課長に伺う。
(聞き手 本誌・小林俊史編集長)
―正式決定とともに、いよいよ3か国の都市が揃いましたね。
小池課長:豊島区からは高野区長をはじめ、吉岡知哉東アジア文化都市2019豊島全体総括、小澤担当部長と私と高橋係長の5人で訪問しました。
8月30日の第十回日中韓文化大臣会合では正式決定の後、それぞれの都市に決定都市の称号が授与され、厳粛なセレモニーが行われました。中国西安市は、旧名はシルクロードの起点とされるかつての王朝の都「長安」で、現在は人口825万人・面積約1万㎢、また韓国仁川広域市は国際空港のある韓国きっての港湾都市として知られ、人口289万人・面積約1千k㎡ということですから、豊島区(人口29万人・13㎢)と比べるとそのスケールの違いに驚いてしまいますが、3都市がこの文化事業にかける思いは、いずれも同様に熱く、意欲も期待も満々といったところでした。
―各都市の反応はいかがでしたか。
小池課長:翌31日には3か国3都市揃っての文化フォーラムが開催され、その場で各都市の代表が都市の紹介を20分ずつ行いました。高野区長は「東アジア文化都市2019豊島・基本計画」を中韓に翻訳した資料をもとにこの方針を熱弁され、「持てる力を十分に発揮し、知恵と工夫、そして汗をかいて必ずや成功に導きます」と力強く締めくくり、各都市から特段の注目を受けています。
西安市、仁川広域市ともに、最初の印象は「豊島区」という自治体名には聞き覚えがなかったが、「池袋はわかる」ぐらいだったようです。仁川の方はだいぶ前から内定が決まっていたようでこちらのことも調査していたように思いますが、中国は国内で文化支援都市になっている三亜市と洛陽市と西安市のなかからつい最近に西安市に決定したとのことでした。
しかし、高野区長の紹介を聞いて、特に「アニメ・マンガ」の取り組みには二市ともにたいへん興味があるようで、質問なども多くありました。
―2019年まであと4ヶ月ほどです。これからのスケジュールを教えてください
小池課長:正式に決定されたことを受け、これまで準備を進めてきた準備委員会を実行委員会に改組し第一回実行委員会を9月10日に開催します。また、東アジア文化都市をオール区民として具体的に推進していただく区民のみなさんの組織として推進協議会を拡充します。その後、11月6日(火)にはシンボジウムを開催し、東アジア文化都市2019豊島の実施計画を発表します。
開幕式は2019年2月1日(金)に東京芸術劇場コンサートホールで開催します。
その後一年を通じて多様なプログラムやイベントを行います。特に春と秋のコア期間は集中して開催することにしています。秋のコア期間ではHareza池袋の芸術文化劇場と池袋西口公園リニューアルがオープンします。
閉幕式典はそのHareza池袋で11月24日(日)に行う予定です。
―東アジア文化都市2019に参画する事業はどのように決まっていくのですか
小池課長:東アジア文化都市の事業は「舞台芸術」「マンガ・アニメ」「祭事・芸能」の3本を柱とし、実際の事業の展開は3つに分けて取り組もうとしています。
まず、開幕式典と閉幕式典、それに「舞台芸術」や「マンガ・アニメ」の部門は総合ディレクターのもとで新規事業や青少年文化交流プログラム、各種シンポジウムを企画展開します。これを「ディレクター事業」とします。次に、豊島区や地元地域の皆さんや民間団体が主催する事業については、東アジア文化都市の目標に合致する取り組みを公募し2019年において拡充助成を行います。既存事業も新規事業も公募する予定です。これを「パートナーシップ事業」とします。3つ目は、事業実施における各種広報物に東アジア文化都市のロゴの提供や広報ツール(のぼり等)の貸出を行い、また東アジア文化都市2019公式Webサイトにも掲載するなど広報面での連携を行う事業も選定します。これを「フレンドシップ事業」とします。
このうち「パートナーシップ事業」の公募は今月から始めたいと思っております。
―今後の課題については
小池課長:初めての事業ですので、課題はこれから出てくるとは思いますが、豊島区の特徴でもある、住民の1割にもあたる外国籍の方々との連携も必要だと思っています。豊島区を大切に思ってくださる中国・韓国の方をはじめ、外国人の方にも広報等でご協力いただければと考えています。
また、本事業の開催を多くの方々にPRすることが重要と考えています。そのため、区が持つ豊富な魅力をアニメーションで伝えるプロモーション映像の制作をスタートさせました。
アニメクリエイター久野遥子さんと映画監督山下敦弘さんに担当していただきます。
11月のシンポジウムではこのプロモーション映像の詳細について発表する予定です。
―区民の皆さまへメッセージをお願いいたします。
小池課長:東アジア文化都市2019豊島実行委員会全体統括である吉岡知哉氏(前立教大学総長)は「豊島区の最大の魅力は、街と人々がこれまで培ってきた多彩な活力であり、東アジア文化都市の成功は戦後の復興・成長期に継ぐ新たな豊島のはじまりを告げるファンファーレです」と表現されました。
今後「パートナーシップ事業」の公募や「文化交流のプログラム」、そしてさまざまな課題もあろうかと思いますが、国際アート・カルチャー都市発信の先陣を切るこのプロジェクトを区民の皆さまの参加によって「オールとしま」の力で成功させるべく取り組んでいます。
東アジア文化都市2019豊島公式ホームページも開設しています。随時の情報をご覧いただき、区民の皆さまからのご提案など積極的な参加をお願いいたします。
―ありがとうございました。
東アジア文化都市2019開催都市をちょっとご紹介
〇西安市(中国)
中国西北地方の政治・経済・文化の中心地。旧名は長安。紀元前11世紀から約2000年の間に秦、唐など12の王朝の都として栄え、紀元前3世紀には秦の始皇帝が万里の長城や壮大な墓を残し、墓を守る兵馬俑は西安最大の歴史遺産であり観光名所である。
古くから国際的な交易文化の交流拠点で歴史・文化の伝統的遺産に恵まれているだけでなく、最近では航空宇宙産業、機械工業、電子産業等も集積する科学技術の都市でもある。大学生徒数は100万人という文教都市でもある。
また、習近平国家主席の出身地陝西省富平県とも近く、2014年から中国が進める経済圏構想「一帯一路」の陸の出発点であり、昨年には陝西自由貿易試験区を発足した。すでに約4000社の外資企業が進出、世界トップ企業500社のうち200社に迫る企業が支社を置く。都市部ではサービス産業への構造転換が加速し、インターネット産業が急拡大している。
今年、市内の商業施設内に歩行者「スマホ族専用レーン」が登場し、賛否の議論が巻き起こった。
〇仁川広域市(韓国)
韓国西北部の黄海に面した韓国を代表する港湾都市。2001年に開港した仁川国際空港によって新しい韓国の空の玄関口として、東北アジアの交通のハブ、国際物流の中心都市として注目されている。
2003年に指定された仁川経済自由区域(IFEZ)は埋め立てによる開発で先端知識サービス産業のグローバル拠点である「松島(ソンド)」、国際空港を備えた航空・観光・レジャー産業の最適地である「永宗(ヨンジョン)」、業務と住居、産業が共存する新感覚のビジネスタウン「青羅(チョンナ)」の3つのエリアに分けて特化開発が進んでいる。
また、旧市街に残る旧日本人街の中には都市再生モデルとして造成された「仁川アートプラットフォーム」があり、創作スタジオ、工房、ギャラリー、多目的ホール、ライブラリー、レジデンス空間等、アートの創作と鑑賞に必要な全ての場が揃う開発区がある。しかし最近では巨額の維持費のため、その存在意義が問われる議論も出ている。
開港都市として共通点も多い横浜市と2009年からパートナー都市協定を結んでいる。