駒込「桜を見ながらお散歩コース」

豊島の選択34号にて掲載しました、駒込の桜を見ながらお散歩できるガイドマップ「桜物語」。その詳細を掲載致します。

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駒込駅南口「本郷通りから」スタート!『桜物語』お散歩マップを貰って行こう

駅前に走る街道は「本郷通り(日光御成道)」、王子の方面を向くと目の前に「染井吉野桜記念公園」がある。ここでソメイヨシノの原種といわれるエドヒガンザクラとオオシマザクラの二種と記念碑を見ることができる。さっそく歩き始めたいところだが、すぐ脇の駒込地域文化創造館に寄って「桜物語」お散歩マップを入手しよう。地元の人たちの手で作られた無料の地図は、見どころもわかりやすく親切。

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本郷通りから霜降銀座、そして染井銀座商店街へ
いよいよスタート、本郷通りを王子方面に歩くと有名なお菓子屋さんやお蕎麦屋さんの本店が並ぶ。霜降橋交差点のひとつ手前を左に入ると霜降銀座商店街へ。ここは北区のエリア、名探偵☆浅見光彦が住む街でも有名だ。
ここから商店街は北区から豊島区の染井銀座商店街へとショッピングモール(遊歩道)風に切れ目なく連なる。いずれも親しみ深く買い物しやすい懐かしさの残る商店ばかりだ。
ここでお花見用のお弁当や飲み物を仕入れていくのがお勧め。この後のコースには座れる公園やお花見スポットがいくつも登場する。
染井銀座商店街では通りの両脇に咲く桜の鉢植えや店前に飾られている絵の展示にも注目してほしい。この通りはかつて染井霊園内の池を源泉とし、上野の不忍池まで流れる谷田川だった。両脇の桜の鉢植えはかつての川沿いを思い起こさせてくれる。
また、展示の絵は障害者の作品によるもの、「ふれあいアートストリート」と名づけて、地域のお客様にアートに触れてもらうほか、空き店舗を利用した「ベーカリーカフェあうる」では、区の生活実習所・福祉作業所とボランティアによる運営のもと、ギャラリーとして作品の原画が展示されている。カフェでは、焼きたてパンの販売もあるが、飲み物さえ注文すれば、商店街で買ったお弁当や家庭で作ってきた食べ物も持ち込みが可能で、誰もが気軽に立ち寄ってくつろぎながら絵画鑑賞ができるようになっている。
桜とアート、いずれも商店街の方々の知恵と工夫の賜物だ。

染井銀座から有松坂を上がって染井霊園へ
「ベーカリーカフェあうる」の先の染井コミュニティ広場(公園)の先を左に曲がると有松坂と呼ばれる住宅地内だが趣のある坂、この坂を上がると染井通り、染井霊園に到着だ。
染井霊園内には芸術家や文人、学者、政治家など著名人の墓所が多く、また99本のソメイヨシノが育ち、桜並木も美しい。
東京都公園審議会では今年2月に染井霊園の再生方針を公表した。それによれば、著名な墓所を訪ね歩く「掃苔」を文化的レクリエーションとして捉え、また、桜をシンボルにして、歴史を学ぶ場としての機能を果たしていくとしている。今後10年程度で実現を目指し、地域の景観にあったデザインコンセプトのもとで施設の整備や既存施設の改修にあたるという。この動きにも注目したい。

染井通りから染井吉野桜の里公園、染井坂妙義神社通り
霊園の桜並木からはお花見スポットが続く。
「染井吉野桜の里公園」「染井稲荷神社」「西福寺」は染井の植木屋の菩提寺として有名。「駒込小学校」の横の「門と蔵のある広場」を過ぎれば、妙義神社通りに入る。太田道灌以来多くの武将が戦勝祈願した戦勝の宮(かちいくさのみや)と呼ばれる「妙義神社」。勝守りも人気。どこでもお弁当を広げて寛げるはず。ゆっくり花見を味わおう。
ゆっくり歩いてこのあたりで2時間半ぐらい。

本郷通りに戻って駒込公園から駒込さつき通り、アザレア通りの商店街へ
お休みしてお腹がふくれたら、もう少し足を延ばして駒込のもう一つの顔を覗いてみよう。妙義神社通りから本郷通りを戻ると駒込公園の桜も素晴らしいはず、そのまま坂を下ると駒込銀座商店街、この通りは駒込さつき通りとも呼ばれている。
ここからの商店街は通りの左が北区、右が豊島区という区境にかかる商店会。ガードを超えるとアザレア通り商店街になる。そういえば駒込の駅の土手にはツツジもきれいに咲く。駅前なので飲食店も多く、お酒の美味しそうな店も目立つ。ちょっと寄ってもいいが今日のお花見コースのゴールは近い。

木戸坂から駒込東公園
しばらく進み左に入ると木戸坂、入り口に名前のついたクリニックがある。この坂を上ると、駒込東公園が見えてくる。この辺り一帯に木戸孝允の別邸があったことが木戸坂の名前の由来。公園は戦災復興区画整理事業によって生まれた公園で、区内の公園にはめずらしく起伏に富んだ地形と展望台や石段、緑のトンネルといったデザインが特徴的だ。こういう公園が豊島区にあったのかと感慨深く思わせるのは、ここが本駒込に近いエリアだからかもしれない。駒込のもう一つの面を感じてお花見散歩は終了。
ここまででプラス1時間程度。腹ごなしにはちょうど良い。
帰りは日枝神社に寄ってお参りしてから、一杯飲んで帰るかなんて感じですか。

快適な駒込のさんぽ道
ここまで歩いた駒込のお花見さんぽ道には、どこも通りに名前がついていた。しかも、ところどころにお休みできるスポットが備えられていて快適だと感じる。街なかも商店街も工夫にあふれている。
これは染井の植木職人の頃からの伝統的な知恵の表れか。
春は駒込を歩いてみませんか。

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