最新号51号が発刊されました

51号

特集
西池袋みどりのアートカフェ活動

大人も子供も!働く場所の新しいカタチ
「co-ba ROYAL ANNEX」(みんたん)

先進まちづくり事例
「まち」を愛するミュージシャンが主催
(池袋西口アコースティックフェスティバル有田みのるさん)

今月のキラリ人
ターナーギャラリー 羽田美恵子さん

「小さな兆候こそ」とは

池袋モンパルナスのココロ

特集
西池袋みどりのアートカフェ活動

平成24年9月から開始した「豊島区立池袋西口公園の多目的活用に関する社会実験」がこのほど二年の実験期間を終了する。
「公園の多目的活用によるまちづくり効果」を狙った社会実験は、豊島区内の公園では初の取り組みとなった。
この経緯については昨年の39号に掲載したので省略するが、実施したのは、公園内に移動型のパンフレットラックに大型掲示板とスタンドテーブルを配置管理し、プランター植物やトピアリー(緑の彫像)の管理などを行うほか、ケータリングカーの仮設と民間による多様なイベント実施を支援することなどにより、公園の賑わいと環境美化に努め、イベント主催者などからの協賛金の収入を生み出すものであった。この社会実験によりどんな活動が生まれ、どんな効果があったのか、社会実験実行委員会の実施報告書案を掲載する。

社会実験の内容
社会実験項目
1.交流実験:情報発信拠点(インフォメーションセンター)の運営により集客と交流を図る
2.周知実験:迷惑防止条例などのPRと、法令遵守の啓蒙活動を展開する
3.行動実験:公益活動推進拠点(プラットフォーム)の運営によりプログラムと参加者の増加を図る
4.みどりの啓発:みどりを活かした人との交流を図る
実験場所:豊島区立池袋西口公園
実験期間:平成24年9月1日~平成26年8月31日(2年間)

事業費会計の収支
2年間の期間中に社会実験事業として行われた事業者による協賛金は8月20日現在
普通預金 1,632,026円 現金92,746円
合計 1,724,772円
未収金 700,878円
内訳は表の通り
なお、この収入については、協定書に記載の通り、全額を豊島区立池袋西口公園の環境整備、緑化整備費に充てるものとして、現在、実行委員会では公園内の樹木ライトアップ整備案を構想している。

使用許可項目
1.情報発信収集活動
2.広告活動
3.飲食を伴う物品販売活動
4.イベント実施活動
5.その他、豊島区が認めたもの
(「豊島区立池袋西口公園の多目的活用に関する社会実験」実施に係る協定書より)

プロジェクトミッション
プロジェクトミッション
豊島区にとって
◆区制80周年を機に、これからの「まちの環境」のあり様を実験的に創造し、このプロジェクトが模範になって、持続的なまちづくりのモデルとして活用されること。
◆『区民同士の「顔」が見える関係性がセーフコミュニティを生み出す』ということを普及啓発すること。
芸術劇場にとって
◆「劇場に行く」という目的とその前後に行われる行為を想定し、時間軸をつなぐシナリオをデザインし、来訪者の記憶に残るプロジェクトとすることで、定常的に「劇場に足を運ぶ」コンテンツを提供する。

地域にとって
◆「西口の環境形成」と「西口の人の関係性の深化」が結果として「西口商店街のにぎわい」を創出する、という商店街振興ストーリーの成功体験を得る。
◆「タウンマネジメント」のテストイベントとして取組み、「西口」の優位性を向上させる長期戦略のスターターとして位置づける。

大学にとって
◆都市の中の自然環境と人と人との関係を見直し、自分たちの地域を愛する都市文化の創造と街の経済との両立とを模索する、「池袋学」のフィールドとして位置づける。

(平成24年4月23日シンポジウム 甲斐徹郎氏の講演資料から抜粋)

2年間の社会実験のまとめ、
今後の課題
当初の目的である公園の多目的活用、情報交流による地域コミュニティ力の向上については、実験期間1年を過ぎた頃から公園使用についての問い合わせが増え、これまでの地域住民による活性化イベントには影響を及ぼすことなく、予想以上の新規イベントが実現した。
また、公園の環境・緑化維持活動についても、徐々に参加者が増加し、活動が定着している。こうした活動の広がりにより、池袋のまちづくりに関心を持つ人、実際に行動する人が増えつつあることは一定の成果であると感じている。
一方で、この社会実験活動自体について、まだ一層の周知を図る必要があると認識している。実行委員会としては、地域に目に見える活動を行っているつもりだが、地域の住民や企業団体関係者でも未だにこの活動の内容を知らない者もおり、実際に大きなイベントが開かれる段になると、その実施について問い合わせを受けることも少なくない。社会実験の目的や活動内容を理解していただければ、活動への参加者も増えるはずであると感じている。
こうした周知努力は、2年間で収入とした協賛金を公園の環境整備、緑化整備費に充てるための使用方法について地域の理解を得て行わなければならないという点でも必須である。
公園とその周辺の環境緑化は、まだ緒についたばかりというところであり、課題も多い。まず、プランターやトピアリーの緑化維持はさらにマンパワーが必要だ。また、投げ込まれるごみを減らすこと、トピアリーへのいたずら損傷への対策も欠かせない。さらに、配置してあるグリーンスペースを占有している者や公園に裸で寝転ぶ者などへの対策も一過性でない継続活動が必要と考える。イベント実施やケータリングカーについては、地域環境に貢献する活動となるよう、一層の管理努力を認識しつつ、新たな池袋ファンを育てるような取り組みを考えていかなければならない。
このような課題に向かい、行政との連携をもとに、実行委員会のさらなる体制強化を目指して第2期の社会実験に取り組む必要があると考えている。

(以上 社会実験報告書案より抜粋)

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